「……俺、今さ、彼女に距離置かれてんだ」



知ってたよ。学生鞄に『RISA』って名前の入った、どう見てもお揃いに見えるストラップがついてるじゃん。



「そんな時お前と会って、中学の頃のこと思い出したら……その、少しだけお前に気持ちがあったなって思って……」



「誰にだってある気の迷いみたいなもの?涼山くんってそんな男だった?」



「っせーよ。だから距離置かれたのかも」



「あたしが好きになる人って人としてカッコいいはずなんだけどな。もう、こんなに女々しくないの!涼山くんしっかりしてよ!」



つい、声を荒げてしまった。えぇい、勢いだ!



「彼女との理由は知らないけど、そんなにフラフラしたままじゃダメでしょ!今の涼山くん、超カッコ悪いの、ビシッと決めなよ!」