「ゲームに負けたぁ~」
そんなことを知らないあたしは、朝御飯抜きを食らった子どものようにトボトボ歩いていた。
女よりゲームを優先していたのね、マイダーリンめ!ゲームめ、なんて強敵なの!?綾ガキよりも強者ね!
でも、待てよ?ゲームは結局は仮想の世界のことであって、現実の世界のあたしに勝てることはないんじゃない?
もし、ゲームキャラに可愛い女の子が出てきても、可愛いあたしには負けちゃうんじゃない!?
そう考えると、パワーがみなぎってきたじゃん!あたしってば、何ヘコんでたんだろう。たかがゲーム、されどゲーム!負けてたまるか!
「うしっ!沙良復活♪」
充電なんて山下くんでじゃなきゃ意味がないの。他に何で充電しろっていうのよ☆
そして、ニッコニコスマイルで元いた場所へ戻ると、
「え?解散早くない!?」
もう誰もいなかったのであった。あたしがいなくて寂しかったのかな☆もう!素直じゃないんだから♪
「変な勘違いは毎回やめて」
教室へ戻って夏生へそう言うと、毎度のごとく鬱陶しがられたのであった。