「ま、まさかとは思うんだけどさ、山下くんが不機嫌だった理由って……」
「あ?このゲームのことだけど?」
「うっそーん!?」
あたしが涼山くんといたからじゃなくて、まさかの……ゲ、ゲーム!?
「うわ、マジありえね」
「俺も本気を出せばこんなモン楽勝♪」
「のわりにはすごいクマね」
山下くんと里津くんに夏生が話していても、全然話す気力が湧かない。
「な、つき、ちょ……充電してくる」
「あ、頑張って」
マイフレンドはあたしのショックに気づいていたにも構わず、ヒラヒラと手を振っていた。もう!心配くらいしてよ~!
「まー昨日の博樹じゃ無理だろ!」
「何かあったわけ?」
「なんかイライラしてた。ゲームのせいじゃなさそうだったぞ?」
沙良がいなくなった後、夏生は弟の里津から思いもよらないことを聞いたのだった。