「山下く~んっ!」
前方に山下くんの姿が見えて大声で叫んだ。聞こえていないのか、山下くんは振り返らない。
よ~し、これからよ!まだまだあたしの体力は有り余ってるんだからね♪
さっきより倍の速度(のつもり)で山下くんを追いかける。だんだんと大きくなってきた山下くんのセ・ナ・カ♪
「山下くんっ♪」
「………!」
無言で驚いた顔をして振り向いた山下くん。うん、たまにはこういう顔も素敵かも♪
「どうしてこんなところにいるの?」
「帰…」
「ねっ、一緒に帰ろうよ!」
どう!あたしの上目遣い+お誘い!これは断ることは出来ないでしょ?
「いい」
「え~!同じ方向でしょ?」
嘘です。あたしはこの方向ではありません♪
「本屋行く」
「あたしもお供いたします♪」
「来なくていい」
なんだか山下くん、怒ってるみたい。あ!もしかしてもしかしての?
「あたしが男といたから、山下くん機嫌が悪かったり?」