「でも、今日滝沢と会って思ったんだ」



涼山くんとの距離が縮まる。変に緊張するあたしは近づいた涼山くんの目と目の間を見ていた。



「お前を振り向かせたいって」



「えっ!?」



涼山くん、何言ってるの!?



「俺、マジだよ」



「困る!あたしには大好きな人がいるの!」



「んなこと言われても、そう思っちゃったもんは仕方ねーだろ?」



「ダメ~!こ、婚約者が妬いちゃう♪」



今の状況で妬くことはないだろうけど。by作者



「関係ない!妬いたら妬いた、だ!」



そんなこと言われても…



「とりあえず、今度は俺がお前にアタックする!な?」



ポンッと頭に手をおいた涼山くん。



あぁ、これが中学の時だったら飛び跳ねて喜んでいたのに!



今は、ただ今は……山下くんに申し訳なくて仕方がない。



そう、あの反対側の歩道を歩いている山下くんに……って、



「えっ!!??」



「おゎっ、どうしたんだよ!」



涼山くんの反応を無視して思いっきり目をこすり、再度、今見ていた方に目を向けた。