だって、今さら過去に戻れるわけでもないし、てゆうか戻りたくないけどねっ!戻ったら…山下くんと会えなくなるかもしれないし…



そんなの嫌!山下くんと会えないなんて心も体も死んじゃう!結婚出来なくなっちゃうじゃない!



「沙良、また妄想の世界へ?」



夏生がまたか、という目で見てくる。



「嫌だなぁ、妄想じゃないよ~♪未来予想図の特別版的な?」



「……もうワケワカンナイ」



「あっ、山下くんの靴箱~!キャ~♪」



「アンタ、変態だよ」



ミスメガネと話したことも忘れ、あたしの頭の中はすぐに山下くんモードに切り替わった。



「じゃ~ね、夏生♪」



「ん、バイ」



夏生と途中まで一緒に帰り、残りの家路までの距離を一人で歩く。



「今日も山下くんに会えて素敵な1日だったな~♪」



ニコニコ(実際にはニヤニヤ)してスキップをしながら帰っていると、



「おぅ、久しぶり!」



誰かに声を掛けられた。はい?山下くんはもう帰っちゃってるのに(把握済みである)、誰よ!



もしかして、もしかしなくてもあたしのファンとか!?キャー!山下くんが妬いちゃうよ~!