「恋の経験が多いほど、山下くんをオトす可能性も上がってくると思わない!?」



「……賛成はできないね」



「やっぱり夏生…山下くんのこと!」



「ないから」



「嘘は良くな……ハッ!」



「ん、どうした?」



すっごく今、嫌な予感がする。恐る恐る後ろを振り返ると、



「滝沢さん」



昨日の掃除の敵、ミスメガネが立っていた。



「あの後はしっかり清掃に取り組んだのかしら?やけに早かったみたいね?」



「はい~!なぜなら大好きな山下くんが助っ人として手伝ってくれましたから!」



「んまぁ!あなたの悪事を手伝うなんて!」



「やっぱりあたしのことが好きなんでしょうね?ほら、あたしの委員会でも見つめちゃうぞ作戦が効いてる…」



パコーン!



言い終わる前にミスメガネから素早いチョップが飛んできた。