いつものように重い扉を開けて

開いたままの窓から風が吹き込んでくる。

揺れる薄い茶色の髪が見えて
先輩の持っている本が風に吹かれてカサカサと音をたてた。


気がついたら

目の前が曇りガラスみたいに歪んでいて

強い風に吹かれて水滴が
頬をつたって耳の方に流れた。

そっか

私、泣いてるんだ。