体育委員の俺は忙しく準備に奔走していた




この俺が主役になれる体育祭のためだったら



雑用だろうがなんだろうがちっとも苦にならなかった






サッカーゴールを一人で動かそうとしている友哉がいた




俺は走り寄り気前よく手伝ってやった





「駿~、やっぱ張り切ってんなぁ!」




「まあなぁ…!そろそろ女の子にも


振り向いて欲しいし~!」




「はぁ!?女なんか面倒臭いだけやし!


…ってか駿、結構人気あんねんなぁ!」




「えっ!?」






一瞬の気の緩みだった






『ドスン!』




「うっ…!」



俺は思わずうずくまる…




「おい、大丈夫かぁ?」



友哉が俺に駆け寄る…





俺の意識が少しだけ飛んだ



想像を超える痛みだった






油断した俺の手を滑りサッカーゴールが



俺の足の上に…







その巨大な鉄の塊は



俺の足の甲の骨を砕いていた…