もし俺の名前が『川原』でなかったら…




この甲斐祐輔とも



関わる事もなかったんだろうか!?





俺の前の席だった祐輔は



何かあるごとに俺を頼った





俺なんて人に頼られたり



尊敬されたりする人間じゃない





でもそんな立派な人間ではないからこそ



祐輔は俺に気軽に話しかけたのかも知れない







祐輔は進んで自分の事を話すタイプではなかった





周りのヤツは興味津々に聞いていたが



祐輔は巧く話しをはぐらかしたりしている





俺はそんな姿を見て



敢えて編入してきた理由なんかを聞かなかった