綺麗だった…


まさに真夏の夜の最高の祭典だった




俺はちょっと亮二の方に目をやる



二人手を繋いでしっかり握り合っていた





花火の音で何を話しているのか分からない




でも楽しそうに顔を見つめあっていた…






いよいよラストが近づいてきた




その前に少し休憩があるらしい…






「ちょっとジュース買ってくるわ…」




そう言って瑞穂と二人歩いて行った






俺は麻友を抱き寄せた…




この雰囲気とアルコールが俺に少しの勇気をくれた






今しかない…




もうすぐ亮二らも戻ってくるだろう






「俺、麻友ちゃんの事ずっと好きやってん…



良かったら…」





『♪~♪~』



俺の言葉を制止するように麻友に携帯が鳴った




麻友の顔が強張る…





その表情は見る見る曇り



とうとう泣き出してしまった





“ただ事ではない!”



俺は麻友の携帯をとり画面を見た





そこには思いがけない言葉が…





『悠輝やけど、やっぱ麻友の事忘れられへん



もっかいやり直そう!』





それは元彼からの復縁を迫るメールだった