「駿ちゃ~ん!


暗い顔してどないしたんよ?」




能天気な亮二が俺の顔を覗き込む




おそらくコイツに相談でもしようものなら



即、瑞穂を通して麻友に筒抜けになってしまうだろう






俺は慎重だった…




この想いだけは大切にしたかった






しかし亮二は感が鋭い





俺の気持ちを知ってか知らずか



こんな事を言い出した





「夏休み、4人で海行かへん?」




(4人って…!?)




俺にはすぐに麻友の顔が浮かんだ





それを悟られないように



敢えて素っ気なく聞いてみる





「4人って誰よ?」





「俺とお前と瑞穂と麻友ちゃん!」



亮二はニコニコ笑ってそう言った