祐輔が病院に着いたときには


母はすでにICUの中だった




もう会話する事もできない…




「祐輔!」


潤子だった



「俺、どうしたらええか…」



潤子は祐輔を力一杯抱きしめた



「男の子やろっ!


アンタがしっかりせんなどうすんの!」




続々と親戚や故意にしている人が集まってくる


やはりただ事ではないことを物語っている




シンとした待合室で


ただ時間だけが過ぎていく



潤子は言った



「祐輔、絶対大丈夫やから…


奈津子姉さんそんなヤワな体ちゃうから…」



そういう潤子の体が震えていた



「親父は?」


「連絡はしたけどまだ…」




こんな時でもなぜ一番に飛んでこないのか?



祐輔は父が許せなかった




母は最期までそんな親父を


想っていたというのに…