この頃から母の様子が変わった



おそらく慣れない土地での生活が


辛かったんだろう




親父は出世欲の強い男だった



母の変化に気付いていながら仕事を優先した




とうとう母が入院する事になっても


親父は見舞いにすら来なかった






こんな事、ガキの俺でも気付く





親父は付き合いで飲みに行く店の女と



浮気をしていたんだ…






母の涙を見るのは辛かった




兄妹もいない俺は寂しさを紛らわす為に


女に逃げた



親父と同じような事をしながらも



俺は親父のような人間を軽蔑した




「あんな親父となんか


別れたらいいやん…」




しかし母は生活力がないことで


諦めていた




俺が母親の重荷になっている…




そう思うと辛かった





そして俺は母を助けてやりたくて


自立するため勉強も頑張った