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「…はぁはぁ…。」
忘れ物をしたと告げ、何とか教室を出てきたまでは良かったが、正直今は歩くのもしんどい…。
完璧に風邪を甘く見ていた。
今日ぐらいはもつかと思ったが…しかもよりによって、田中の授業でこんなになるとは。
最悪のほかなにものでもない。
「雄輝!!!」
「り…じちょ…。」
何の頼りもなく、ただフラフラと歩いていると奇跡的に親父と遭遇した。
そして、親父に会えたという安心感からか、徐々に目を塞いでいくのが解る。
もう大丈夫、なんとかなるだろう。
あぁ…でも、このまま教室に戻らなかったから田中心配するかな…。
ごめん、田中。
お前を支えてやらなきゃいけないのに倒れるなんて。
誰よりも近くで支えてやらなきゃいけないのに…。
「雄輝!!大丈夫か!?」
俺は、自分の事すら何もできない弱い人間なんだ。