「じゃぁテスト配るから教科書しまえよー。」
先生の大きな声を聞き、みんなは一斉に教科書やノートを片付けだす。
…あーあ、上谷死んでるよ。
机に顔を突っ伏して。
「じゃあ始め。」
配られたテストに名前を書いて問題を解いていく。
さっきまで騒がしかった教室も、今はまるで別の空間のようだ。
テスト中は書く音しか聞こえない、それが当たり前。
…だと思ってた。
ガタタッ
「???!!」
なんの音?
テストに集中していた目を一旦離し、音のした方を見てみる。
すると、そこにはしゃがみこんだ先生がいた。
「せ…先生?」
「おい!!先生!!」
「大丈夫ですか!?」
私の言葉を始まりにみんなが先生に声をかけていく。
先生…どうしたの?
やっぱりただの咳じゃなくて風邪だったんじゃ…。