「親父…。」
「大丈夫か?」
「あぁ…。」
目を開けると身体のだるさは変わらないが、薬のおかげか咳は止まっていた。
「今、一時間目が終わったところだ。どうする?授業変わってもらうか?」
一時間目…まだそんな時間だったのか。
「いや、大丈夫…。。」
寝かしていた身体を起こし、服と髪を整えていく。
「でもお前…38度はあるぞ?」
38度…そりゃぁだるいはずだよな。
逆に起きてる事が不思議だ。
「…ご迷惑おかけしました。失礼します。」
「え?おい雄輝!!待て!!」
悪い親父…でもこんな事で倒れてはられないんだ。
誰がなんて言おうと、俺は授業にでないと…。
心配する親父をよそに、足早に理事長を出てきた。
「あー…だりぃ。」
そして、誰にも聞こえないように呟きながら、重い足取りで職員室へと向かった。