コンコンッ
「どうぞ。」
「失礼します。」
「おぉ、雄輝。どうしたんだ?」
一時間目に授業が入ってない俺は、教室から職員室ではなく理事長に戻った。
「わ…りぃ…ゴホゴホッ…ちょ…寝かせ、ゴホッて…。」
そして、理事長に入るなり持っていた荷物を床に落としてソファーに身を投げ出す。
「おい!?大丈夫か?」
そんな不可思議な行動に親父は驚き駆け寄ってくる。
「お前…すごい熱じゃないか!!」
俺の身体に触れると、親父は一気に曇った顔になる。
こんなに驚かれるなら…相当高いんだろうな。
「待ってろ、今保健医を…。」
ガシッ
「親父…それは…ゴホッい…い。」
「でもなぁ…。」
「寝てれ…ば、治る……。」
「雄輝?おい!!」
親父を引き止めようと掴んだ手の力がぬけていき、俺はそのまま意識を失った。