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キーンコーンカーンコーン…



「出席と…ゴホッるぞ、席すわ…れ。」



「先生風邪ひいたの?」



「大丈夫?」




一向に収まる気配がない咳に苦しみながらも教壇に立つと、多くの生徒が声をかけてきた。




こうゆうの、ある意味教師の特権だよな。



普通の職場だったらここまで心配されないだろう。




「先生!!朝ごめんな!!これあげるから許して!!」


そう言って上谷が差し出してきたのはのど飴とマスクだった。




「お前…マスクって遠回しに風邪うつすなって言ってんのか?」




「なんでそーなんの?!!」



「はははっ、嘘だよ。ありがとな。」




やっぱりこいつの反応は面白い。



何を言ってもいちいち反応する所とかなんとも言えないよな。




「じゃぁ名前呼ぶぞ。」



俺は上谷からもらったマスクをつけ、出席簿に眼をおとす。





その瞬間、



ガラッ



教室の扉が勢いよくひらいた。