「楽になりましたか?」
「…うん。」
「過呼吸をおこしたんでしょう。落ちついたようなら、もう大丈夫ですね。」
「…うん。」
先生の腕のなかでグッタリしながら会話をすると、音が響いて不思議な安心感があった。
「ごめんなさい、迷惑ばかりかけて。」
これ以上迷惑をかけまいと、先生の服を強く握りしめていた手の力を弱めて離れようとする。
でも、先生は私とは逆に抱きしめる力をもっと強めた。
「よく頑張りましたね。」
「え?」
急になにを言って…。
「あなたはもう十分頑張りました。…だから、今日ぐらいはいいんじゃないですか?」
「何が…いいの?」
私が訳が解らないと言わんばかりの声で訪ねると、先生は私の髪の毛に触れた。
「我慢しなくていいと言っているのです。
たまには泣いてもいいんですよ。」
「!!!!」
「私は一番あなたの近くにいる存在です。そんな私にくらいには弱みを見せてもいいじゃありませんか。」
「……我慢…なんか…。」
先生の言葉に涙が出そうになったのを、ベットのシーツを握りしめる事で耐える。
すると、そんな私の顔を両手ではさむように持ち上げて、上を向かせた。