「考えておきます。」
『はい』とも『いいえ』とも言わず、曖昧な返事でこの話しを終わらせた。
すると、その終わりを見計らったように料理が次々と運ばれてくる。
家で食べるより豪華な食事は、とてもいい匂いをかもしだしている。
でも一口食べても二口食べても美味しいとは感じられなかった。
「美味しいな、麻椿。」
「……はい。とっても。」
家で食べるご飯のほうがよっぽど美味しいよ…。
一緒には食べないけど、みんなで話しながら食べるご飯が恋しい。
テーブルの近くにある時計に目をやると、八時半をさしていて、レストランも賑わっていた。
先生、そろそろ会議終わったかな。
きっと疲れてるだろうね…今日は私のお世話なんていいから早く休んでもらおう…。