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「こちらでございます。」


何とも言えない気持ちを抱えたまま案内されたレストランに向かうと、ドアの近くで私を待っている人がいた。




黒のタキシードが身体に馴染んでいる人物。





それは見覚えのある人だった。




「上田…どうして?」





本来ここに居るはずのない上田の姿。





「雄輝から連絡がありましてね、お嬢様をお願いしたいと。」





先生がわざわざ上田に連絡を…?





「どうして…私なら大丈夫なのに…。」





訳がわからず顔をしかめていると、歩きながら話しましょうとレストランのドアを開けて中へと導かれた。





そして、私の数歩前を歩きながら上田は口を開く。