「綺麗ですよ、麻椿様!!」
「ふふ、永田のお陰ね、ありがとう。」
上田と同様、小さい頃からお世話になっている永田に完璧なヘアメイクをしてもらうと、さっきとは全く違う私になっていた。
「では行きましょうか、お嬢様。」
「え…でも。」
まだ先生が帰ってきてない…。
「あぁそうですね、執事がまだいませんでしたね…。」
先生どうしたんだろう。
後から行くって言ってたのに…何かあったのかな?
ブー…ブー…
「…?!」
先生の事をみんなで待っていると、鞄の中の携帯が小刻みに震えた。
「あ………。」
そしてディスプレイを見ると、そこには冨田雄輝の文字が出ていた。