「ふふ、昨晩ずーっと悩んでおいででしたよ。」
ずっと…って、先生そうでなくとも執事と教師の両立で忙しいはずなのに…。
「そう…。」
先生が一生懸命選んでくれた青色のドレス。
フリルもリボンもなく、ただ小さな花が胸元に一つだけついているシンプルなドレスが、何だかとても綺麗に見えて感動する。
「ではお着替えが終わりましたら声をかけてください。ヘアメイクをいたしますので。」
「えぇ、ありがとう。」
私がお礼を言うと、メイドはゆっくりと部屋を出て行った。
そして私はドレスの近くまで寄り、改めてドレスを見る。
「お嬢様に似合うもの…か。」
先生にとって私の似合う色は青なんだね。