「まぁそれが麻椿だけどな。」
「うん。」
「でも無理すんなよ?たまには俺を頼れ。」
「え…うん。」
いつもふざけてる上谷がたまに真面目な事をいうから…やけにドキドキしたじゃんか。
「じゃぁ、俺先行くな。今日も仕事頑張れ。」
そう言いながら私の髪をくしゃくしゃっと撫でる。
「あ、そうだ。麻椿、口開けて?」
「は?」
「いいから!!早く!!」
必死で頼んでくる上谷をみかねて仕方なく口をあけると、甘い匂いがした。
「!!!!」
「元気でただろ?はははっ」
私の驚いた顔をみてから、上谷は満足そうに歩いて行った。
これは、上谷なりの気遣いなんだろうか。
私の口に入れてくれたのは、大好物のチョコだった。