誰にも話すことができなくて一人でモヤモヤしていると、後ろから頭を軽く叩かれた。
「よう生徒会長!!誰がバカなんだ?」
あぁ…この声とテンションの高さは上谷に違いない。
ほんとに…こいつは人が悩んでる時にタイミングよくあらわれるよなぁ。
「…色々あるの。」
テンションの高い上谷に、朝からテンションだだ下がりの私は冷たく言葉を言い放つ。
すると、隣にいたはずの上谷が私の前にたち顔を覗き込んできた。
「珍しいな麻椿、お前が弱音はくなんて。」
「弱音じゃない、愚痴だ。」
私の顔を覗き込む上谷のおでこにデコピンしてやると、少し痛そうな顔をしたが、上谷はすぐに私に笑顔を向けた。
こやつ…Mか?
「ははっ、ほんとお前強がる所は中学の時からかわんねぇのな。」
「うるさい、これが私なの。」
誰になんと言われようが性格は簡単に変わるものじゃない。
だから、中学の時に上谷に一度だけ言われた事がある『強がるな』という言葉にも今だ答えられていない。