窓を閉め、先生と並んで歩く。
私達の愛しい人の元へ。
「んんー…」
「ははっ、可愛いな。」
寝息をたてながら寝返りをうつ君に先生は目を細める。
もうすっかり、パパの顔だね。
「ほら、そろそろ起きろよ。」
頭を撫でながら先生が声をかけると、少し微笑んだ気がした。
駄目だよ先生。
それ逆効果だもん、安心して更に夢の世界にはいっちゃうよ…?
「今日は土曜日だし…私達ももう少し寝る?」
「んー…そうだな。ゆっくりしようか。」
大切な君を挟むように布団に入る。
二人で君の胸元等辺に手を置き、微笑む。
こうしていると、最高に安心する。
「好きだよ、麻椿。」
「うん…私も好き。」
先生と結婚してから、素直になる大切さを更に知った。
気持ちを伝えるのは、どんな事より大切なんだよ。
大きくなったら、ちゃんと君に教えてあげるね。
強がらなくていいんだよ、とか。
沢山沢山教えてあげる。
「目が覚めたら散歩でも行こうか。」
「うん、三人で手繋いでね。」
「あぁ、そうだな。」
そして君に大切な人が出来たら、隣にいる大切さを教えてあげたいな。
辛い時も悲しい時も決して離れちゃいけないよって。
パパとママみたいに離れちゃ駄目だからね。
ギュウっと、先生が私の手を握る。
私もそれを握り返し、逆の手で君の手を包み込む。
「おやすみ、永愛」
「早く起きろよ?」
「ふふっ、そうだね。」
永遠の愛が続きますようにと先生とつけた、女の子らしい永愛(とあ)という名前。
永愛が産まれた後、先生は次は男がいいなって言ってたっけ。
男の子だったらどんな名前をつけてあげるんだろう。
私達の生活はまだ始まったばかり。
まだまだ楽しみな事が沢山あるね。
悲しい時も辛い時も、そして嬉しい時も隣にいるのは、先生なんだよ。
そして、永愛とこれから産まれてくる子供と…。
どうか幸せな夢が見れますようにと祈りながら、私と先生は目を閉じた。
愛してるよ、先生。
『新しい家族が増えました。
冨田 雄輝・麻椿・永愛』
【END】
第二作目『先生と執事』どうだったでしょうか?
『先生と教官室』とはまた違う恋の形で書いているのが楽しかったです。
そして難しくもありました。
個人的には上谷と先生のやりとりが書いていて楽しかったです。
是非みなさんの感想を聞かせて下さい。
では、お付き合い有り難うございました!
『先生と教官室2』も良かったら読んでくださいね!!
2012年2月24日*伊菜