「失礼してよろしいですか?」
「……はい。」
緊張がピークに達する中、ゆっくりと扉があけられていく。
そして、その向こうには執事を表す真っ黒のタキシードを着た人物が2人見えた。
「お嬢様、こちらが私の孫で今日からあなた様の執事になる者です。」
紹介を受けてから後ろにいた執事は私に頭を下げ、私と目を合わす。
すると、その瞬間彼の目が見開いた気がした。
「……ん?」
「え?」
「どうして…。」
どうして…って?
私を見て驚きを隠せない彼をまじまじと見てみると、どこか違和感を感じた。
なんか…この人見覚えが…ある。
「お嬢様。」
「えっ…。」
私と彼が何も言わずに見つめあっていると、上田が沈黙を破った。