そっと触れるだけの優しいキス。
あの夜と同じようなキスなのに、全然違う。
ドキドキだけじゃなくて、悲しくて辛くて…。
でも安心してフワフワする。
「しょっぱ…」
唇にキスをした先生は、そのまま頬や瞼、おでことキスをしていき、最後に顎を私の頭の上に置いた。
「身体、気をつけてな…」
「は、い…」
流れる涙が増えていく。
先生の優しさが身体を駆け巡る。
「行ってらっしゃい麻椿。」
「うわぁっっ、ひっく、せんせぇ…」
「はは、泣きすぎだろ?」
それから飛行機が経つギリギリまで、私と先生は抱き合っていた。