『アメリカ……行き、………をご案内します。』
「…これか?」
飛行機のアナウンスに耳を傾けると、私が乗る便を案内している所だった。
先生と、お別れの時間…。
ついにやってきてしまった。
「じゃあ、先生…私行きますね…」
抱きしめられていた手をゆっくりほどき、私は飛行機へと向かう。
「おい?麻椿…」
最後は笑顔のまま終わりたいから、絶対に振り向かない。
このまま飛行機に乗り込んで、トイレ行って…。
先生には泣き顔を見せずに…
グイッ
「バーカ、お前の考えなんてお見通しだ。」
先生は、私にキスをした。