乗り込んだ車の窓ガラスには綺麗な夜の街が反射している。





そして、その景色を覗き込むように窓ガラスに顔を近づけると、キラッと何かが光った。






「あ……これか…」






先生にあの日貰ったヘアピンが夜の街の光を浴びてキラキラと輝いていたのだ。






部屋で見るのも綺麗だけど、こうするともっと綺麗だね…。







「せ…んせ…」






あの日から毎日つけていたヘアピン。




もうはずさなきゃと思いながら、今日までつけつづけていた。





はずせなかった。





先生との繋がりが無くなる気がして。






はずしたくなかった。







まだ、先生と繋がっていたくて…。








「逢いたいよ…せんせ…」