胸ぐらを掴んでいた手が少しずつ降りていき、上谷のズボンの中に入っていった。
「先生はまだ失恋の一歩手前だろ!!怖がらずにさっさと行けよ!!」
こいつは、本当にバ上谷だ。
自分の事より相手の事でお節介、まぁそこがいいとこでもある。
「教師に暴力行為か…謹慎だな。」
「えぇっっ!!!!?」
そして、何ともいじりがいがある。
「冗談だ。
…ありがとな、バ上谷。」
そう言って頭を二三回叩くと、上谷は少し照れた顔をした。
「バ上谷は余計だろ!!」
そう言った笑顔はとても眩しくて、今日の夕陽によくあっていた。