「いきなりで大変だろうけど頑張ってくれ。まぁお前は昔から何かと器用だから大丈夫だろ。」





「………そんな能天気な。」






「それじゃ、後はじいちゃんに任せるから放課後ここに行ってくれ。」






「…わかった。」







受け取った紙には、住所と地図が書かれていた。






ここの家にいる人が俺が仕えるお嬢様か…。





「ほら雄輝、昼放課終わるぞ。」





「あぁ…。」




緩めたネクタイを結びなおし、置いておいた眼鏡をかけなおした。






「では、失礼します理事長。」





だらけた気分と、執事になるという驚きを全て拭い捨て、理事長室を後にした。