「私…もっと強くなりたいんだ…。」
「うん。」
「大切な人の…先生のそばに居れるように。…きちんと支えれるように。」
「うん、うん…。」
泣きながら話す私の手を、亜季葉はずっと握っていてくれる。
その体温がとても暖かい。
それに、その温もりがどこか上田や先生の優しさに似てて、すごく安心する。
「でも、今の私じゃ駄目だと思うから…。」
「うん…。」
流れる涙を制服で拭い、亜季葉の目を見る。
「私、アメリカに行こうと思う…。」
しっかりと目を見て自分が出した答えを告げると、握っている亜季葉の手の力が強くなった気がした。
「…待ってるよ、ずっと。」
「うん…。」
「いってらっしゃい…麻椿。」
「う、ん…。」
ずっと我慢しててくれたのか、亜季葉からも沢山の涙があふれてきた。
でも、今は見ないでおくね。
その泣き顔を見たら行きたくなくなってしまうから…。