「チョコレートパフェと苺パフェがおひとつずつ、以上でよろしいですか?」




「はい、お願いします。」




少し学校から離れたファミレスに入ると、朝だからかまだお客は少なく静かだった。




「静かだね。」



「うん。」



パフェを待っている間、何となく二人の中には気まずい空気が流れてもどかしい気持ちになる。



早く、早く本題に入らないと…。




さっきからそうは思ってはいるけど、私が口にするのは水ばかりだった。



「ねえ…麻椿。」



「ん?」



そんな私の様子に気づいたのか、亜季葉が私を見た。



「どこか…遠くになんか行っちゃわないよね?」




「………。」



カランッ…と氷が音をたてる。



うまい具合にバランスよく組み合わさっていたはずなのに、それは少しずつ溶けていき脆く崩れてしまった。




「話し…始めよっか。」



亜季葉の問いかけに否定も肯定もせず、私はようやく口を開く。



その返しに疑問をもちながらも、亜季葉はコクンと首を縦にふった。