私を抱き締めたまま動かない先生は、ただゆっくりと呼吸だけをしていた。



そして、トクットクッ…と動く心臓の音がやけに響いていた。



一向に弱まる事のない手は相変わらず私を包みこんでいる。



…あったかい。



先生に触れている所から、私の身体はどんどんあったまっていく。



感じた事のある、この温もり。



先生に抱き締められたのは初めてじゃない。



だからかな…身体がちゃんと覚えてるの。



先生の温もりや匂い。



そして、安心感を…。