なにが起きているというのだろう。



目が覚めたら先生がいて、怒鳴られて…それにも確かに驚いたけど、今の状況が一番驚いてる気がする。



「もう泣かないでください。」



すぐ近くから聞こえる先生の弱々しい声。



全身から感じる熱を帯びた先生の体温。



そして、背中と後頭部にまわされた大きな手。



その全てに意識が集中して、いつのまにか涙は乾いてしまっていた。



「先生……?」



「お嬢様…。」



これで、先生に抱きしめられたのは二回目だ…。