一人じゃ寂しい…?



そのセリフ…今誰が言った?




「あなたは誰ですか…?」




「…は?」





「先生じゃないですよね…え、じゃぁあなたは誰ですか?」





「ふっあははっ!!何言ってんだ、お前は!!」





「だ、だって先生がそんな事言うはずないじゃないですかっ」




先生の言葉にペースを崩されて焦りまくる私を、先生は大笑いをしながら見ていた。




そんな焦りまくる私に、先生は余裕の笑みを浮かべたまま近づいてくる。





「ちょっと冗談を言ってみただけだ。」





「え……。」





「俺はお前の先生だし、お前は俺の生徒、そうだろ?」






「…そ、そうです。」






「じゃぁこの冗談話しは終わりにして教室行くぞ。」





「…はい。」





余裕の笑みをした先生は、私の頭をポンポンと軽く叩いてからドアに手をかけた。



先生って、普段はあんまり笑わないのに、私や上谷といるときはすごい笑ってる感じがするなぁ…。



「田中、今度は全部持っていけるように筋トレしとけよ。」



「えー、嫌ですよ。また半分こしましょ。」




「はははっ、あぁそうだな。」






先生と生徒、それは紛れもない私達の関係を意味するもの。




それが当たり前で、これからも変わらないと確信をしていた。




まさか、その関係が今日から崩れるとも知らずに。





今はただ先生と笑いながら廊下を歩いていた。