「泣きたいだけ泣いて、そのまま眠ってしまいましょう。そうして、目が覚めたら温かい紅茶をお持ち致します。 何が宜しいですか?」 「…アップルティー。」 「かしこまりました。では、お休みなさいませ、お嬢様。」 そう言って、頭を撫でる上田をもう一度見てから、私は瞼を閉じた。 『弱いものなんです。』という上田の言葉と、アップルティーの甘い香りは、私の心を優しく包み込んでいるようだった…。