「ごめん、帰る!!」
「え!!?おいっ!!?」
置いてあった鞄を乱暴にもち、そのまま教室を飛び出す。
今は、上谷の声に振り替える余裕も優等生の風格を保つ事もできない。
ただただ一人になれる場所を求めて走り続けていた。
「っはぁ、はぁっ……。」
運動部でもない私が走り続けれる距離なんてたかが知れている。
やっとの思いで辿りつけた細い路地で、まるで倒れるように座りこんだ。
く…くるし……。
息は上がるし、足もつりそうだ…。
「運動しなきゃね…。」
ここまで運動不足とは…インテリというのも辛いものだ。
そう言いながら、誰も通らないこの路地で一人うなだれていると、ふと頬に涙がつたう感覚がした。
「え…あ…。」