私、嘘つくときの癖なんてあったの?
なんだか見透かされたみたいで恥ずかしくて
私はにんじんを手に取ってお母さんに差し出した
「知らなかったでしょ?」
「ち、違うってば…」
「リサは不器用ね」
お母さんはそんな私見てふふっと小さく笑った
「学校で何かあったとか?」
「違うよ…何もないってば…」
「じゃあ……」
さっきまでまな板にあった視線を私の方に向ける
「まだ、シュウくんとうまくいってないとか…」
「え……」
私もお母さんの方を見ると
さっきより真剣な目をしていて
少しだけ寂しそうな表情をしていた