保健室に着いたけど誰もいなくて
とりあえず、近くのイスにリサを座らせた

消毒液を探している間
黙ったままのリサ、俺も何も言わない

沈黙が流れたまま
棚からガーゼと消毒液を取り出した

リサの膝の前まで来ると
恥ずかしそうに顔を下に向けた

「消毒、するから」

「あ、うん……」

ガーゼに消毒液を染み込ませて
膝に当てると少しだけ足が震えた

「痛っ……」

「我慢しろって」

そのままガーゼを何度か当てて
手当てすると、リサはゆっくりと口を開いた

「シュウ…」

「何?」

「ありがとう……」

俯きながらもお礼を言うリサに
俺は手を止めた