「何に乗りたいの…?」
「あ……えっと」
観覧車なんて、まさに恋人同士が乗るもの
言えるわけないよ…
「もう、ないかな…」
乗りたいものには乗れたから、
そう嘘をついた
でも、私はバカだ
シュウに嘘なんて通じない
さっきだって一番に私に駆け寄ってくれた
私の小さな嘘を簡単に見破る
「だから、嘘つくの下手だって」
「えっ…」
「乗りたいんだろ?…観覧車」
じゃあ、行くか…
そう言うとシュウは私の手を引いて
そのままイスから離れた
まるで私のことは何でも知ってるみたいに
観覧車の前まで連れて行ってくれる…