長い年月をかけて積み重ねて来た燕の“技術”を、亮の“進化”が、上回ったのだ。

鉄山靠の打ち合いに打ち負け、弾き飛ばされた燕は、頭をしたたかに地面に打ち付けた。

朦朧とする意識の中、彼を支えるのは強烈なプライド。

(負けるのか?王たるこの己(オレ)が!?
………否!断じて否!!)

「お……己は…負けん……負けられんのだ…」

震える膝を押さえ込み、無理矢理立ち上がる燕。

「己は…強くなったのだ…強き…龍に、龍になったのだ!
……もし、負けたら…龍は地に堕ちる………
そうしたら………また…」

「………」

頭を強く打ったからだろう…おそらく本人ですら、今何を喋っているか、理解していない。

朦朧とする脳内は、記憶の混濁を見せ。

彼を………

過去へと誘う………

………………

………