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重たくなったお腹を軽くする為、見知らぬ街を散歩する。

普段から頭を使い過ぎるきらいがあるので、たまに何も考えずにブラブラすることは、良い頭のリフレッシュになる。

寂れた街ではあったが、見慣れない風景の中を歩くということは、貫の心を少なからず弾ませた。

「!っ」

特に何かを見るともなくブラブラしていたのだが、ある一人の人物に、目が惹き付けられる…。

その人物は、とにかく目立っていた。

特に何か変わった仕草をしているわけではない。

ただ、ただ純粋に、その人物の容姿が、見ずにはいられないものだったのだ。


単純に………その人物は美しかった。


道行く人皆が振り返る、性別等、その人物の美しさの前では瑣末なこと…有無を言わせず人を惹き付ける、そんな妖しい魅力が、その人物にはあった。

あまりジロジロ見るのは失礼…できるだけ見ないようにしながら、貫がCOOLに横を通り過ぎようとした時…

「あの………」
「ひゃっ!
ははは、はい!?」

話し掛けられるとは思っていなかったので、COOLとは程遠い反応をしてしまった。