◇
「ふぅ、ここまで来ればもう大丈夫だろ」
路地裏に座り込み、安堵の息を漏らす金髪の青年。
「ふふふ、ふ
幻の聖杯、確かに頂いた」
そう、今はコスチュームを解いてはいるが、この青年こそ、何を隠そう怪盗ジャムその人。
「“ウチの店”の雰囲気に合う花瓶がなかなかなかったからね…
ちょうどいいのが手に入ってよかった
…ではでは、早速ご拝け〜ん」
ガサゴソガサゴソ
「………ん?
んん〜〜〜?
あれ?…違う、ほわい?」
盗んだ筈の品が、何故か違う物へと変わっていた。
当然、落胆する…と、思われたが…
「………シブイっスよコレ」
どうやら気に入ってくれたようだ。