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「アァー〜ッハハハハ!
アァー〜ッハハハハ!!」

「だーっ!うるせぇっつの!」

「いや失敬、まさかこれほどの使い手が現れるとはね…喜びを隠しきれず、ついつい笑みがこぼれてしまう
アァー〜ッハハハハ!」

「チィッ!」

かなりの数の攻撃を繰り出したにも関わらず、未だ一発も、掠ってすらいない。

しかも、相手は笑う余裕まであるのだ。

頭の中に響く敵の笑い声が、亮に苛立ちを募らせる。

苛立った余り、力任せに大振りな、右ロングフックを放つ!…が、当然当たらない。

大きくスウェーバックした怪盗ジャムは、そのままバック転をして、距離を大きく開く。

「フフフ、存分に堪能させて貰ったよ…
燃え盛る火のように激しい攻撃の数々!
感じたよ…久しぶりに
まるで100年漬けられた梅干しのジャムのように刺激的だ」

フルフルと体を震わせ、刺激的な出会いに感動する怪盗ジャム。

「…ヘッ、変態野郎が」

「フフフ、拗ねなくてもいいじゃないか
安心したまえ、君からの熱烈アプローチ、無下にする程私は無粋じゃないよ
…次は私が攻めよう」