◇
「おい、起きろ!
起きろったら!」
「駄目ですね、熟睡しきってますよ…」
「気持ち良さそうな顔で寝てるね〜」
「頭小突いたら起きんじゃねぇの?」
「リョーが殴ったら、一生の眠りにつくと思う…です
この馬鹿力」
「仕方ない、時間もないことだし…」
「っ!?
いっ!痛たたたたっ!
って、ア、アナコンダバイス!?
人が寝とる隙になんばしよっとか!」
※アナコンダバイス
仰向けに寝ている相手の右側から、右腕を相手の首に巻き付け、その右手で相手の右手首を掴んでクラッチ。
自分の左腕を輪形になった相手の右腕に通し、自分の左手で自分の右手首を掴んでロック。
太い腕をアナコンダにみたて、バイス(万力)の如く締め上げる…というプロレス技で、凄く痛い。
大変危険なのでチビっ子は真似すんな!
「い、痛い!
ギブギブギブ!」
パンパンとタップするのを見て、ようやく解放する響子。
「痛〜、もうオイは全身怪我しとうとですよ?
バラバラになるかと思ったさね」
思いの外元気な貫、この男、もしかしたらかなりタフなのかもしれない。
「と、皆さん、よかった、無事だったんですね」
貫が寝てる間に、屋上に集まっていた四人。
「色々と話すことはあるが後回しだ
とりあえずお前には、最後の仕事をして貰うぞ…」
「仕事…ですか?
一体何を…」
「そこの…えっと」
「ヒメ…でいいです」
「ああ、ヒメがな、黛一輝が行った演説…
それと全く同じプログラムを組んでくれた…」
「…ということは…」
「そうだ、黛一輝が行ったやり方と全く同じやり方で…
全く正反対のことをやる
これは、お前にしかできないことだ、やれるな?」
「父程強力な強制力が出せるかはわかりませんが…
やってみます!」
「頼む
準備はもう出来ている
タイミングは君に任せよう…」