「桃戸さん」
「はいは〜い!」
「桃戸さんには今回も狙撃を担当して貰います
もしかしたら空を飛ぶかもしれない奴が相手ですからね、できるだけ高い場所を確保して頂きたい
桃戸さんの狙撃可能範囲内に〇〇美術館があって、かつ、1番高い建物……
えっと……あ、アレ!
あのビルの屋上!
桃戸さんはあそこで待機しておいて下さい
手足の1、2本、撃ち抜いてしまっても構いませんので、よろしくお願いします」
「やだ……マメタロウ怖〜い」
「堀田ぁ、暴力はいけないなぁ」
と、荒事担当の二人がおちゃらける。
「はいはい
と、そういえば所長
ヘリはもう使えないんですよね?」
「ん?ああ、ブッシュの奴が返せ返せとうるさいからな、昨日使った後、オートパイロットで東の方に飛ばしてやった
燃料が保てば届いてるだろう」
「……そ、そうですか、まぁ、所長の交友関係は後々追求するとして……
では、予定通り桃戸さんはビル屋上で待機
鷹橋さんは、僕と一緒に車の中で待機しておきましょう」
「把握しました」
「一応、僕らが最後の砦なんで、よろしくお願いします」
「それはそれは、緊張しますね」
言葉とは裏腹に、エレガントな微笑を浮かべる匠、緊張等微塵も感じられない。