「ハァ、じゃ、考えてきた作戦を説明しますね」
ズキズキと痛む右肩を摩りながら、ため息混じりに仕切り直す貫。
「あの後色々調べたのですが、怪盗ジャム、かなり非常識な人物のようですね」
「するってぇと?」
「はい
なんでも、20m近くジャンプするあげくに空を飛び、片手でパトカーを投げ飛ばしたとか……
更には変装の達人で、今までは人海戦術で捕まえようとしたようですが、全く効果が得られなかったようですね」
「ほうほう、それで?」
響子が適当な相槌を挟む。
「怪盗ジャムを怪盗たらしめているものは、純粋に彼自身の能力によるものかと思われます
彼……性別すらわかりませんが、とりあえず男性としておきますが、彼を捕まえ得るのは、彼以上の能力を持った人材、ということになります
国が我々に依頼したのは、正しい判断と言えるでしょうね」
「なるほど、で、具体的にはどうすんだ?」
「先程も述べた通り、勝負所は、彼と我々、どちらの能力が勝っているか
初見でもありますし、奇策は使えません、正攻法でいこうと思います」
「真っ向勝負か!
おもしれぇ!」
「とはいえ、事前に多少の努力はしておこうと思います
各々の配置と役割を考えたので、今から発表します」
「………」
「?どうしました、所長?」
「……いや、別に」
「??話を続けますよ?」
「ああ、やってくれ」